「弓道推薦で大学に進みたいが、可能なのかを知りたい」
「弓道のスポーツ推薦がある大学に進みたいが、どれくらいの基準を満たせばよいのかが分からない」
と迷っている人も多いのではないでしょうか。
ここではそんな人のために、
- スポーツ推薦の基礎知識
- 弓道でスポーツ大学推薦を受けるときの成績の基準
- 弓道でスポーツ大学推薦を受けるときの注意点
について解説していきます。
まずは知っておきたい、スポーツ大学推薦の基礎知識
「弓道でのスポーツ大学推薦」について取り上げる前に、まずは「そもそもスポーツ大学推薦とは何か」について解説していきます。
スポーツ大学推薦とは、スポーツで優れた成績を収めた人で、かつ今後も大学でそのスポーツを続けようとする人が受けられる特別枠の推薦入試制度を指す言葉です。
スポーツ大学推薦は、すべての大学・すべての学部に設けられているものではありません。そのため、スポーツ大学推薦で大学に進もうとした場合、一般入試に比べてその選択肢は狭くなります。また、スポーツ大学推薦であっても高校のときに一定の成績(評定平均値)が求められるのが一般的です。
ただ入試時は学力テストを受ける必要がないケースが多く、小論文や面接、推薦文や実技試験で合否が判定されます(※試験の内容は学校ごとで異なります)。
なお、スポーツ大学推薦で大学に入った場合であっても、退部することは可能です。たとえば「スポーツ大学推薦で入ったけれど、ほかの人に比べて自分の能力が低く、メンタルの不調に悩まされた」「けがをした」などの理由で、部活を辞めざるを得なくなるケースは多くあります。
スポーツ大学推薦は「大学でもそのスポーツを続けること」が前提となっていますが、部活を辞めたからといって、大学そのものを退学になるわけではありません。辞めた後も、そのままその大学の生徒として学び続けることは可能です。
ただこのようなかたちで辞めた場合、自分の母校(高校)には今後その大学のスポーツ大学推薦枠が与えられない可能性が高いことには留意しておきましょう。
弓道でのスポーツ大学推薦を受けたい場合の成績の基準
ここからは、「弓道でのスポーツ大学推薦を受ける場合の成績の基準」について見ていきましょう。
大学によって条件は異なりますが、基本的には「都道府県代表のチーム入り以上の成績を上げること」が求められます。全国大会で入賞したなどの成績があればより望ましいのですが、全国大会に行けなかった人であっても、スポーツ大学推薦の対象となることはあり得ます。
大学選びは、「自分の行きたい大学はどこか」を一番先に決めるのが基本です。そしてそのうえで、「その大学には弓道のスポーツ大学推薦があるかどうか」「自分はその基準を満たしているか」を見るべきです。
ただ、進みたい大学が特になく、「どこの大学であっても、弓道を続けられさえすればよい」ということであれば、「自分の成績で推薦を受けられる大学」をリストアップして、そこのなかから進学先を決めるのもひとつの手です。
弓道のスポーツ大学推薦を扱っている大学の例とその基準
上で、「大学ごとによって、スポーツ大学推薦の条件は異なる」としました。
ここでは、弓道のスポーツ大学推薦を扱っている大学をいくつかピックアップして、その具体的な基準について紹介していきます。
A大学
A大学の場合、
1.都道府県大会で準優勝または優勝した者(※団体でも個人でも可、ただし新人戦は除く)
2.フロック大会・全国大会に出場したうえで、上位入賞を果たした者
のいずれかを満たす必要があります。また、高校3年生の1学期までの評定平均が3.0以上であることも求められます。
都道府県レベルで準優勝以上の成績が求められます。また、学力レベルの査定も比較的緩やかです。
B大学
B大学では、
- 国際大会の正選手
- 全国大会出場の正選手
- 都道府県選抜チームの代表選手
- 地区レベルの大会の出場選手
- 県大会でベスト8以上の成績をおさめた正選手
がスポーツ大学推薦を受けられるとしています。
また、上記に当てはまらない場合であっても、「同等レベルの大会において、同等レベルの成績を上げていることを客観的(新聞記事や協会の資料など)で判断できる場合も対象とする」としています。
この条件だけを見れば、B大学は比較的条件が緩いように見えます。
しかしB大学では、ほかの学校に比べて成績の基準が厳しく、「全体の評定平均が3.3以上」が最低基準とされています。また学部によっては、特定の教科の評定平均が3,8以上であることが求められます。
C大学
C大学は、弓道でのスポーツ大学推薦の対象者を「全国大会に出場した者」に限っています。
またそのうえで、評定平均が3.0以上であることが求められます。なお理工学部入学を目指す人に対しては、さらにここに、「数学Ⅲを履修した者」という条件が加えられます。
C大学のスポーツ大学推薦の条件は、ほかの大学に比べても厳しいものだといえるでしょう。全国大会出場経験のない人はそもそも対象とならないため、注意が必要です。
弓道でのスポーツ大学推薦を受ける場合の注意事項
ここまで「スポーツ大学推薦とは何か」「弓道でスポーツ大学推薦を受けるときの基準」について紹介してきましたが、最後に、弓道でスポーツ大学推薦を受ける場合の注意点について解説していきます。
多くの大学は「成績免除」ではない。高校時代の成績は基本的には問われる
スポーツ大学推薦を受けるためには、高校時代の学力成績が求められることを覚えておかなければなりません。受験時の学力テストこそ免除となるものの、高校時代の成績はしっかりと見られます。多くの大学では「評定平均3.0以上」としていますが、もっと厳しい基準を設けているところもあります。
このため、「スポーツ大学推薦を受けるつもりだから、成績が悪くても問題ない」と考えるのは危険です。
学科が指定されることも
スポーツ大学推薦を実施している学校は、多くの場合、「スポーツ大学推薦で入ることのできる学科」を限定しています。
実技試験を伴うこともある
大学のなかには、「スポーツ大学推薦で大学に進学しようとする者に対して、実技試験を実施する」としているところもあります。
たとえば法政大学では、「弓道のスポーツ大学推薦を希望するものに対して、近的12射の実技試験および面接試験を実施する」としています。
このように実技試験がある学校への進学を希望する場合は、「受験という特別な場においても、実力を発揮できる精神」もまた、求められます。
弓道のスポーツ大学推薦を受けようと思っている人は、まずは自分の高校時代の弓道の成績および評定平均がどれくらいかをしっかり把握しておきましょう。そのうえで、自分の進みたい大学が弓道のスポーツ大学推薦を扱っているかを確認したり、弓道のスポーツ大学推薦を扱っている大学をリストアップしたりすることが重要です。
弓道に力を入れている大学は、以下からから確認できます。