悩みながら成長できることがスポーツの魅力
藤本淳也先生インタビュー動画
藤本淳也先生
profile
大阪体育大学学長補佐
体育学部健康・スポーツマネジメント学科教授
一般社団法人大学スポーツ協会理事
一般社団法人大学スポーツコンソーシアムKANSAI副会長
スポーツマーケティングを専門分野とする研究者
メンタルを紐解くのもスポーツ科学
先生の大学での役割、研究内容を教えてください。
スポーツ科学はどのような学問ですか。
基本的にはですね、スポーツをする人、見る人がいますので、人を中心とした学問と捉えて間違いないかなと思っています。スポーツ科学の中には大きく自然科学と人文社会科学というのが二つありますが、どれも対象はほとんど人。社会科学の中では、その人が運営している組織というのが対象になってくる。そこを対象とした研究領域というふうに考えて間違いないと思っています。
高校生がすぐ思い浮かぶ勉強内容としては何がありますか。
本学にスポーツ心理カウンセリングという分野がございます。これは教員が6人ほどいて非常に本学としては推しというかですね、充実している分野です。この先生方が何しているかというと、例えばスポーツしている高校生の方も経験されている中では、練習では上手くできるんだけども試合になるとなぜか自分の力が発揮できない。もしかするとそれは練習量とか練習の仕方だけではなくて少しメンタルの問題じゃないかということをおそらく考えられた方はたくさんいると思うんですね。では日頃の練習の中で自分のメンタルをどう保っていったらいいのか。あるいは自分の目標設定をどこに設定してそこへ向けてどう自分の心、あるいはチームのまとまりを歩ませていったらいいのかというのを紐解いて明らかにしている学問があります。
スポーツ力の向上に大きな影響を与えるwhyの力
自分の競技力を伸ばすには何をすればいいですか。
スポーツは社会に出てどのように役立ちますか。
一番はですね、やはり若いときというか高校大学時代に自分の好きなことにしっかり打ち込むということですね。その好きなことをしっかり打ち込むために、もちろん楽ばっかりじゃありませんので、自身のことでも悩みがたくさんありますし、チームの中でも部活動中でも、あるいは大学の中でいろんな悩みがあると。自分の好きなことにしっかり打ち込んでいきながら打ち込む過程の中で、悩みながら、心が揺れながら、指導いただきながら、それにも悩みながら、友達関係に悩みながらという、この経験をやってきたってのが一番大きいと思うんですね。
現場と理論のバランスが大切
大阪体育大の強みは何ですか。
大阪体育大学のスポーツ科学の学びというのはですね、先ほどの理論と実践って話をしました、いわゆる学びと実践。で多くの場合は学びってのは、運動部活動なんですね。この運動部活動の部長は全員本学の教授です。教授は日ごろの授業を持って理論を教えています。つまり、現場と理論を知ること、学びというのが非常に近いところがかなりオーバーラップしているんですね。ここが実は最大の強みだなというふうに思っています。
スポーツを今度は科学して欲しい
高校生にメッセージをお願いします。
スポーツ科学というのは非常に複合的な分野で、かなり幅広いです。ですので、大阪体育大学に入学した学生も、入学後に学ぶ学問、学びたい学部が変わっていったりする学生もいます。例えば私の専門のスポーツマーケティングという分野は、なかなか高校では学べませんし、日頃競技をしていく中でそういうことが存在していること自体感じる分野ではないんですけれども、今では、入学後は多くの学生が専攻してくれます。スポーツを皆さんが自分たちで実践してきた、そして皆さん自身がおそらく育てられたと思っているこのスポーツを、今度は科学して、しっかり自分の中に内在化して、将来皆さんが社会人になったときに、皆さんの次の世代に対してスポーツの価値をしっかり言葉で伝えていけるような、そういう人材になっていただいたらいいかなと思っています。それからもう一つは、スポーツ科学の分野というのは、スポーツというのは一つの研究の題材に過ぎないという見方があります。例えば、経営学を学びたい人は経営学部に行く、これは普通の流れですが、経営学を、スポーツを題材に学ぼうとすると、これはスポーツ科学部の中の方がおそらく中身を深く学んで、スポーツを通じて経営学を学ぶ、あるいはその実践力を学ぶことに繋がるんじゃないかなと思っています。大阪体育大学もそうですがスポーツ科学部の中には理論、学ぶというと実践、この実践は部活動もそうですし、インターンシップもそうですし、他のそれ以外の現場実習もそうです。この両輪が揃っています。スポーツ科学部の中で学びながら実践しながら実践したことをまた学びながら、自己の成長に繋げていって頂ければと思います。