柔道の道から社会の先生となった近藤 早織さん!次世代の柔道家を育成

近藤 早織さんインタビュー動画

近藤 早織さん

profile

京都府出身。
指定校推薦で立命館大学文学部に入学し、地理学を学ぶ。
現在は私立高校で社会の教員。
部活は柔道部で関西大会3位、団体では全日本学生メンバーとして活躍。
現在は私立高校で社会の教員として教鞭をとりながら、柔道部とダンス部の顧問も務める。

大学で初めて知った、地理の楽しさ

今のお仕事について教えてください。

社会の教員として教鞭をとりながら、ダンス部と柔道部の顧問をしています。
やはり次世代を担う子どもたちと共に日々歩んでいけることや、自分の子どもたちとのふれ合いがその子の人生を変えるという意味で、とてもやりがいを持って日々仕事をしています。

高校時代から社会科はお好きでしたか。

正直な話、地理にはまったく興味がありませんでした。学校の勉強はもちろんしますけれども、受験勉強とは正直無縁で。とにかく柔道をして、テストをしっかり取ればいいっていう高校生だったので、正直大学に行って初めて勉強することに触れました。そして教員になったときに、まず大きな頭打ちにあったのは、自分の知識不足です。そこですごく勉強して、地理の面白さを知りました。

地理学科というのはどういうような勉強をされるのでしょうか。

高校で勉強するような授業ではまったくありませんでした。
例えば、都市地理というんですが、「なぜここにコンビニがあるのでしょう」。これで1年間勉強できます。いいかげんに作られているわけじゃなくて、範囲とか、そこの生活圏とか全部計算し尽くされた上でコンビニがある。牛丼屋さんのすき家と吉野家が並んだりするんですけど、なんでそんなことが起こるのか。そういったことを、人文地理・都市地理といったことで学んでいきます。
自然地理では、1番最初のインパクトは、入門の先生がトトロの映画を見せるんですね。なぜここに森があって、ここに家があって、この村はこういうことで…って、地理学の観点から解説をされていく。
目に映るものすべてがテーマになりえる。それが地理学科での学びでした。

大学で勉強しておいて良かったこと、役立っていることはありますか。

大学は、自分が勉強したい限り、自分が勉強したいことをとにかくとことんまで追求できる。丸暗記とか、テストが何点とかではなくて、勉強の面白さ、学ぶことの面白さっていうのを知れた時間だったと思います。特に地理学科は、実際外に出て見てきなさい、調べてきなさいと、答えがないものを自分で探しに行くことがたくさんあって。高校とは全然違う勉強のスタイルにすごく驚いたのですが、そのときに培った「自分で探す、自分で見つける、自分で学ぶ」っていう姿勢が、今の仕事にはすごく活かされています。

大学は自由。すべてが自分次第だった

部活についてお伺いします。柔道はいつからされていましたか。

小学校の高学年から中高大と続けてやりました。
大学進学するときに「母校で教員をしてみないか」という声を恩師の方から頂き、大学で柔道をしながらコーチをしていました。大学を卒業して、教員として柔道部の顧問を始め、そこから6年7年と昼夜問わず、24時間365日教員として柔道に関わって、子どもたちの育成をずっとしてきたんですけれども、結婚出産と、一時的に引かなければならないタイミングが来てしまい、サポートという形で柔道に携わってきました。

高校までの部活動と大学スポーツっていうのは、何が違うのでしょうか。


高校生って、基本的にやらされます。やらされて、やらされて、やらされて、もうがんじがらめの状態で日々過ごす。
大学は高校と違って、すべてが自己責任でした。やってもやらなくても怒られないし、別に結果が出なくても責められないし、本当に高校とは違う。ある意味自由です。でも、高校であれば、やらなければ引っ張られるし、励まされるし、怒られるし、そういった中でやってきたものが、大学になったら「自分でやりなさい。練習場所はあります。練習時間もあります。でもそこを努力するかしないかは自分次第です」っていうのを最初にパンと突き付けられた気がしました。大学は本当に自分でトップになるってことを強く意識を持っていないと厳しい所だなっていうのが感じたことです。

学生が将来を見据えてキャリアを考えることについてどのようにお考えですか。

絶対に必要です。高校のときから将来のことを考え、大学生活の間でも勉強しながら柔道して、そしてインターンなどのキャリアにつながるような活動することができるのは大学時代しかないと思います。
スポーツでご飯を食べられる人は本当に数えられるくらい。その他大勢は、自分で仕事を見つけて社会に出ていく。でも、我慢してきたこととか、経験してきた理不尽とか、変えること・努力することは、必ずキャリアにもつながっていくから、絶対にスポーツはやり続けてほしいと思います。で、その中で自分がどこを目指したいかっていうときに、妥協はせずに行けるところまでのところは必ずつかんでいってほしいなっていうのが私の想いです。

大学に行くこと、大学でスポーツをすることには、どういう意義があると思われますか。

大学4年間は、人生の中で唯一自分のためだけに自分の意志を持って過ごせる時間です。勉強したかったら勉強したらいい。部活したかったら部活したらいい。自分がしたいと思ってきたことが全部叶えられる唯一の時間です。
大学スポーツはとにかく自分との戦いの4年間かなっていう感じです。やりたくなければやらなくていい、努力したかったら努力すればいい。でもすべて自分に返ってきます。頑張ったことも頑張らなかったことも、全部自分に返ってきたのが大学の4年間だったと思っています。
それと大学で出会った仲間ですね。部活の仲間は、本当に今でも仲良くやっています。自分が生きてきた世界と違う世界を見てきた仲間との出会いという意味で、大学の仲間は宝物です。

高校生へのメッセージをお願いいたします。

皆さんの将来は本当に無限大です。
将来のイメージ、夢、希望がなかなか見つからないこともあると思うんですが、自分の人生は自分の足で歩いていかないといけないので、とにかく考えることをやめずに、前へ前へと歩き、そしていろいろなものを見つけに出て行ってほしいなというふうに思います。意外なところに意外なものが落ちているかもしれないし、ふとした瞬間に、新しい発見をするかもしれない。
大学を考えるときも、ついついネームバリューとか、世間を意識したことを考えがちなんですが、そんなことよりも自分がしたいことを突き詰められる場所を、オープンキャンパスでもいいので見つけに行ってほしいなと思います。
そういったことを通じて、見つかってくる夢っていうのもあると思うので、とにかく考えることをやめない、悩むことを嫌がらない。そういう高校生活を送ってもらえたらなというふうに思っています。人生は本当に一度きりなので、自分の人生が最高にできるように頑張ってほしいなと思います。

 

このページの先頭へ戻る