高みを目指してクライミング・ボルダリングから学んだ自分の人生の登り方|八木正汰さん

八木正汰さんインタビュー動画

 

八木正汰さん

profile

埼玉県出身。
高校生までは陸上競技部で400メートルハードルを専門にし、
大学からはスポーツクライミングやランニングイベントの主催を行った。
現在は集団宿泊施設で、体験学習をする児童・生徒のサポートを行っている。

身体を動かすことについて専門的に学んだ大学生活

大学ではどんなことを学びましたか?

大学は平成国際大学スポーツ健康学部スポーツ健康学科に進みました。
学科では、2年生まで競技スポーツの実技や生理学といった身体の構造を知るための授業があったり、生涯自分の身体と向き合っていくにあたって、どういう付き合い方をするべきかを考えたりと、人の身体のことについて満遍なく勉強しました。
3年生からはフィットネスジムのインストラクターになるべく、資格取得を目指して学ぶようになりました。
最終的に取得した資格は全部で3つあるのですが、その中でも今役立っている資格は「グループフィットネスインストラクター」で、エアロビクスやストレッチなどのフィットネス指導をお客さん相手にできる資格を持っております。

私の進学した学部は体育の先生になるために来ていた学生が多く、教育実習や教員試験対策など、3年生になってから学びが専門的になっていきましたね。

大学で学んで良かったと思うことは何ですか?

卒業論文を作ったときの手順や考え方が今の仕事にも活きています。
卒業論文を作る上で、一番論じたい内容に「根拠があるか」を当時のゼミや研究室の先生によく言われていて「根拠としてこういうデータがあります」としっかり説明できるようにしないと、ただの思いつきになってしまうとよく指摘されていたんですよね。
今の職場でも新しいアイデアや企画を出したいと思ったときに「何でそう思ったのか」を書類や資料を参考にしながら順序立てて、「こう思いました」と説明する習慣がついたのは、卒業論文のおかげだと思っています。

競技で成績を出すために変えた「1日の使い方」

大学ではどのようなスポーツをしていましたか?

大学ではスポーツクライミングをしていました。
大会の記録は「ボルダリング」という競技で、ボルダリングジムを作っている店舗が開催した大会で3位になったのが一番の記録です。
また、高校まで陸上競技をやっていたので、大学ではランニングをするイベントに友人と出ていたりしていました。

大学スポーツをする上で意識していたことはありますか?

時間だけでなく「質」も意識するようになりました。
高校の頃は「1時間筋トレする」とか「2時間頑張ろう」という単純な時間単位でやるだけでしたが、大学に入ってからは、1時間で筋トレをするとなった場合でも「時間としては足りているけれど、内容はどうだろうか?」と質まで見直すようになっていきましたね。
もし内容が悪ければ、どう改善すると良いか自分で調べたり、大学の講義からヒントを得たりと、トレーニングを勉強する時間も取り入れるようになりました。

大学で勉強したことがスポーツに役立った経験はありますか?

スポーツクライミングは重力に逆らっていくスポーツなので、体重管理や栄養学の授業はしっかり学びました。
ただ、逆に勉強ばかりして睡眠時間が少ないと日々のパフォーマンスが落ちてしまうので、自分で区切りをつけて勉強やアルバイトをするなど、時間管理には気をつけていましたね。
「これが役に立った」というよりも、全体的に「1日の使い方」の意識が変わっていった感覚があります。

クライミングを通して「どうすればできるか」を考える習慣が身についた

現在のお仕事のやりがいを教えてください。

私は現在、「国立大洲青少年交流の家」という集団宿泊研修施設で働いています。
小学生から外国の方まで、団体の方が宿泊しにいらっしゃるので、野外活動や体験をされる人たちの活動をサポートするのが主な仕事です。
現在の仕事もスポーツと密接に関わっていて、職場にあるクライミング施設で初めてクライミングをする子どもたちを指導したり、有名な研修の1つにカヌーがあるのですが、初めてのカヌーで少し緊張している子どもたちに「大丈夫だよ」と寄り添えていることがやりがいになっています。

大学スポーツで学んだことはどのような場面で今の生活やお仕事に活きていますか?

どうやったらできるようになるのか」を考えるようになりましたね。
クライミングはスタートとゴール、使わなければならないホールドはあるのですが「どのように登るのか」は決まりがなく、自分のやりたいように登ってクリアを目指すのが特徴です。
そのため、自分の身体の特徴を活かして登っていくのが魅力で、「他の人たちはこう登ったけど、自分だったらこう登るな」と手段を考えるクセができました。
そのおかげでできるかどうかがわからないものに対しても「無理だ」と諦めるのではなく「どうやったらできるようになるか」をまず最初に考える意識がクライミングを通してかなり身について、これが今の仕事に活きていますね。
たとえ忙しい時期に新たな仕事が入ってきたとしても「忙しいからできない」と断るのではなく「どうやったらできるようになるだろう」と上司に相談したり、自分なりに考えて提案できるようになったのは、スポーツクライミングの影響だと思います。

これから大学へ進む高校生へ

今のみなさんは「やりたいこと」がたくさんあると思いますが、その裏で、勉強などのやらなきゃと思っていてもついつい目を背けてしまう「やるべきこと」もたくさんあるのではないでしょうか。
しかし、この「やりたいこと」も「やるべきこと」も全部全力で取り組むことで、違うものが見えてくるかもしれません。
ですので「やるべきこと」をやるべきところまでやったら「やりたいこと」をする時間にとことん割くというように、自分に課せられたことを全部しっかりやることで、楽しく過ごせるのではないかと思います。
手加減はせず、真正面から向かっていってください。

 

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