やりたいことがなかったからこそ、進学を選んだ|陸上競技|久野晋一郎さん

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久野晋一郎さん

profile

日本大学・経済学部卒業。
在学中は陸上競技に励み、卒業後は人材サービス会社に就職。

26歳のときに「株式会社アーシャルデザイン」を2014年10月に設立し、現在は専務取締役(COO)として、体育会学生のキャリア支援をメインに活動中。

大学の選び方について教えてください。

具体的に進路を考えるようになったのは高校3年生になってからです。
明確にやりたいことがなかったからこそ、大学に行ったんだと思いますね。専門学校に行った子は、「トリマーになりたい」とか「柔道整復師になりたい」って、やりたいことが明確でした。僕は陸上競技しかしなかったので、比較的そこがなかった。大学に進学していろいろな可能性とかを見ていきたいなっていうことで進学に決めました。

経済学部を選んだ理由を教えてください。

幅広く学べるっていう点で選んだっていうのが一番大きいです。
どちらにせよ、多分「将来ビジネスパーソンになる」と考えたときに文学部とか歯学部とかよりもだいぶ選択肢の幅が広がるだろうって、そういう感じで選びました。

人口統計の勉強は、会社役員となった今も活きている

大学で学んだことで、印象に残っていることはありますか。

ゼミの活動はすごく印象的でしたね。統計学を勉強していました。
人口統計を取るのですが、日本の市区町村の人口推移を追うと、ネットで調べれば出てくるんですね。どこの地域の人口が増えていて、どこが減っているみたいな。
学生なので長期休暇とか友人と旅行とかに行く際に、実際に自分が調べた土地で衰退しているところとかを見たときに「この地域で高齢化が進んでいるんだな。人口統計で確かに(人口が)減っていた」みたいなのをリアルに自分の目でも見ることができて、そういうのはすごく楽しかったというか、印象深かったです。

大学で学んだことが今のお仕事に活きている、ということはありますか。

仕事柄全国の大学に行きますので、いろいろな地域に行くんですけど、その県の特色とかカラーとかを人口統計っていうところから見ています。
それは日本国内だけじゃなくて、海外で「何でインドの人口が伸びているのか、なんで今後南米が今後伸びてくるのか、アフリカが今後伸びてくるのか」と、そういう観点で見て、「将来的にグローバルな事業を作ろう」とか考えたりします。
私がお伺いするのは地方の私立大学が多いんですけれど、大学を作れるような広い土地を持ってらっしゃる地域にあります。結構過疎化が進んでいることもあります。そこでボランティア活動をされたりとか、地元の企業と共同でいろいろなプロジェクトをされていたりとかしていて、「そこにキャリア支援とか就職っていう概念を掛け合わせると面白いですよね」と外様ながらにいろいろ提案したりとか、アイディアを出させてもらうことをしています。

「走るのが好き」その一点で続けた陸上競技

スポーツについて伺います。大学でも陸上競技を続けた理由を教えてください。

もうシンプルに走るのが好きだった。走るのが好きで走っているときは楽しかったっていう、その一点ですね。
社会人で続けるとか、それでお金をもらうことは考えたことなかったです。自分がそんな実力もなかったっていうのが大前提なのですが、野球とかサッカーみたいにすごくその(陸上)競技が稼げるものではないので、学生のときまでって思っていました。

高校と大学で、部活の在り方は違っていましたか。

自分で考える機会が増えたことです。高校は先生やコーチに指示やメニューをもらって、それ通りに遂行する印象だったんですけど、大学では比較的自分でメニューを作って、そこに対して自分で取り組んで振り返りをするみたいな、そういう習慣がついたかなと。
自分のレースから振り返りをして「なんで前回は伸びなかったんだろう」「あ、最後の瞬発力が足りなかったからだ」「じゃあ、短い距離の練習を多くメニューに取り組もう」という、そういうPDCAを回せるように徐々になっていったっていう感じですね。

人が集まる。知が集まる。「大学」という場所を、フルに活かした

競技成績の向上にあたって、どんな困難がありましたか。

スポーツをやっている人は皆さんそうなんですが、怪我でしたね。良くも悪くもすごい練習熱心で真面目にすごく取り組むんですけど、疲労が抜きづらい足だったんです。中距離やる人間としてはムチムチしている方だったんで、やっぱり常に怪我との戦いでした。
サプリメントとか栄養分とか、練習した後に何を食べるかだとか、ご飯とかももちろん気をつけるようにしましたね。また、大学に図書館があるんですけど、「月間栄養素」みたいな、一見「誰が買うんだ、この雑誌」みたいな雑誌もあって。そういうのも大学の図書館に行くともちろん無料で読めますし、コピーとかもできるので、「これ大事だな」と思うことを読んでコピーしてノートに貼ったりしていました。

大学運動部ならではの良かったことはありましたか。

性格的に全く合わない人っていうのもいます。部活の関係ない友人関係だと、比較的性格が合う人間同士でつるむ傾向が特に大学時代とか余計にあるなと思っていたんですが、部活においては関係なく、同じ中距離ブロックのメンバーで協力してやっていかないといけない。その中で多様な価値観に触れる機会っていうのはあったと思います。
例えば、僕はアニメとか全然興味ないんですけど、アニメ好きな子がいて「アニメの何がいいんだよ。言ってみろよ」と言ってみる。すると「〇〇が楽しいんです!」と。そういうを聞いて、視野を広げたりとかっていうのはしていました。

高校生にメッセージをお願いいたします。

僕は大学に行くことは、すごく皆さんにとってプラスなことが多いと思います。それはスポーツでもそうですし、勉強でも結構なんですけど、やはり4年間という貴重な時間をそこに割くということは、皆さん長い人生にとってプラスだというふうに思いますので、ぜひ将来をじっくり考えて、進学を選択してもらえたらなと思います。

 

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